右京之介シリーズ「お江戸の姫君」490枚が完成する。
実に9年振りの右京之介助太刀シリーズである。
双葉社の草野さんが部長に就任したのがその直前で、今度は書き下ろしをしようと約束したのが、芥川賞のパーティのときだった。あれは誰が受賞したのだったか。
ともあれ、担当が湯口女史に代わり、当時、まだ色気をちつかせていた彼女も大分落ちついた女になった。9年だものなあ。
最初は単行本で出す予定だったが、こんなに遅くなった上、本屋がなくなる時代でもあるし、最初から文庫書き下ろしで出版してもらうことにした。
「お江戸の用心棒」上下巻は大分売れたが、もう読者も様代わりしてしまったと思う。
最初から出直しになる。
元ロングセラー社の歌田氏が仲介に入ってくれたので約束を果たすことができた。
誰も拙者がちゃんとやり通すとは信じていなかったんじゃないかな。